料理をした後は、当然それを食べますよね。作ったものを食べることはお子さんにとって楽しいことなので、みんなで味わいたいものです。実は、その時の雰囲気も、次にお子さんがまた料理をしてみたいと思うか、それともそうでないかということを左右します。そこで考えたいのは、作ったものは美味しく食べるた方がいいということです。

ここで言う美味しく食べるというのは、当然味が美味しいということも意味していますが、食べる時の雰囲気も大きく影響するということも言っています。せっかく子どもが作ったのに、それに触れることなく普通に食べたとしたら、何となくわくわくした気持ちにはなれませんよね。そこで、せっかく作ったのなら、作ったことについても会話をしながら、みんなで楽しく食べたいものです。

うちでは、子どもが頑張って作ったものをみんなで食べる時は、その場にいなかった主人にも子どもたちが作ったということが伝わるように話をしています。それがきっかけで会話が広がったり、主人が声を掛けてくれたりしたら、子どもも喜びます。「美味しいね。」とか「上手にできたね。」などと言いながら食べることで、子どもの中には料理をしてよかったという気持ちが生まれます。

美味しく食べるというのは、単純に味の問題だけではないということですね。また、子どもたちが自分で作ったものだからこそ、残さず食べようという言葉にも効果が出てきます。こういう経験をすることで、食べ物は粗末にしてはいけないということを言葉としてではなく自分の体験から実感できるようになります。

しかし、食べる時に楽しい雰囲気ではなかったら、せっかく頑張って作ったという思いがしぼんでしまい、いい経験として頭の中に残らないんですよね。つまり、せっかく料理自体は上手く行ったとしても、その後が楽しくなければ意味がないということになるのです。

そこで、例えば料理を手伝ってくれたり何か自分で作ったりした場合「○○ちゃんが手伝ってくれたから美味しくできているね。」「○○ちゃんの盛りつけ、かわいいね。」などと声を掛けて食べることで、お子さんも自分がしたことが喜ばれているということを実感することができます。

それから、例えばクッキーを作ったとしたら「普通のクッキーも美味しいけど、次はココア入りのクッキーを作ってみようか。」などと次に目を向けさせる声かけの仕方もあります。次にまた違うことをしてみようと言われたことで、次に期待する気持ちが生まれますよね。そのため、また料理をしてみようという意欲に繋がるのです。

料理は、作るだけで終わりではなく、食べるところまでが一つの流れとなるものです。そのため、一緒に料理をするという部分だけに目を向けるのではなく、それを食べるところまで楽しい雰囲気作りをする必要があるということですね。そういうところにまで気を配ることができると、お子さんのやる気が続き、その結果として食に対する関心も高まってくるのです。